〈波の謳(なみのうた)〉は、寄せては返す波の動きや、海の底で静かに揺れる珊瑚の景色を思い描きながら形づくった蝋燭です。
海辺に立ったときに感じる、絶えず変化し続ける気配や、目に見えない深さ。その時間の流れを、ひとつの形に落とし込みました。
オリジナルで型取りをした不思議な造形は、灯すことで表情を大きく変えていきます。
灯しはじめは、打ち寄せる波のように、静かで穏やかな光。
夕方から夜へと移ろう時間、部屋の明かりを落とし、この蝋燭だけを灯してみると、周囲の音や気配まで、少し遠のいて感じられます。
やがて火が内側へ沈んでいくにつれ、蝋が溶け、内部から強い光が立ち上がります。
その姿は、まるで火山の火口から溶岩があふれ出すようで、同じ蝋燭とは思えないほど印象を変えていきます。
一日の終わりに、考えごとをしながらぼんやりと眺めていると、気持ちの揺れや高まりも、炎の変化と重なって見えてくるかもしれません。
静けさと力強さ。
やさしさと荒々しさ。
相反するものが、ひとつの中に同時に在ることも、自然の一部なのだと、この蝋燭は教えてくれます。
〈波の謳〉は、ただ穏やかな灯りを楽しむための蝋燭ではありません。
忙しい日々の中で、自分の内側に溜まった感情を、そのまま眺めるための時間。
何かを整えようとしなくても、火の移ろいを追うだけで、気持ちの波が少しずつ静まっていく。そんな時間に寄り添うための道具です。
暮らしの中で使われ、溶け、形を変えながら、記憶だけを残していく。
〈波の謳〉は、灯すたびに、その日の心の景色を映し出す灯りです。
※本体の色はかなり濃いめの紺、茶色などがあります。細やかな色の差をお選びいただくことはできませんので、ご了承ください。
〈素材〉パラフィンブレンド